049/そして、もう一度……

 

 

【解説】(1997年)

「童話」が世に出て一年が過ぎた頃、数件の出版社から「童話」に興味があるとの電話があった。半信半疑ではあったものの、行って話を聞いてみると、本気で「童話」を一般発売したいと説明された。びっくりしたし、とてもうれしかったが、同時に不安でもあった。好きなように好きな形で好きな本を作りたいという思いで自分たちの手で作ってきただけに、大きな出版社にお願いするのはいささか怖かったのである。挿し絵やカットや不自然なほどの長さといい、デビュー作にするような本ではないので、売れるかどうかも怪しいと思っていた。宮さんとよく話し合った結果、大変失礼な話だとは思ったが、基本的に断ろうということになった。ところが、ある出版社が実に熱心に話をしてくれた。しかも、尚かつ、すべてぼくらの自由に任せてくれるという。夢のような話にぼくと宮さんは言葉を呑んだ。
その出版社は幻冬舎という名前だった。

まもなくぼくらは首を縦に振ることになる。

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