046/旧・童話物語

 

 

【解説】(1997年)

その日はよく晴れていた。
クリスマスに入稿を果たしたぼくらは年が明けてまもなく、印刷所が開いたのを見計らって、完成品の見本を受け取りに行った。言葉は何も出なかった。不思議と涙も出なかった。ただ、その瞬間、何か想像を絶する長い旅が終わったように感じた。ペチカと一緒に歩いた旅だった。
できあがった本の印刷は見事だった。今でも挿し絵はこっちの方が再現性は上だと宮さんもぼくも思うほどである。これはぼくらの主旨を組んで、「童話」の印刷をほとんど採算度外視の安い値段と、惜しみない手間をかけてやってくださったた印刷所の小田さんと、小田さんを商売抜きで紹介してくれた森住さんの、二人の素敵な印刷屋さんの力によるものである。本当に多くの人の気持ちに支えられて、この本は完成した。表紙に載っている自分の名前を見る度に恥ずかしく感じてしまうほど、みんなには心から感謝している。

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