043/ルージャン2

 

 

【解説】(1996年)

 今となってはどうやってそんなことが可能だったのか分からないが、ぼくらはその常軌を逸したスケジュールをほとんどやり遂げた。――ほとんど。入稿の数日前にぼくが突然発作を起こして病院に運ばれていなければ、実際に終わっていたかもしれない。原因は過労と極度のストレスだった。ぜんぜん不思議ではなかった。今まで倒れなかったことの方が不思議なぐらいだ。
 信じられないことに、八章は三日で書き上げた(しかも二周)。そして、八章は現在に至るまで、もっとも書き直しが少ないところでもある。 一章が完成まで三年以上かかったことを考えると、余計に信じられない。ただ、あの数週間(実はほとんどその間の記憶がないのだが)は自分でも異常に感じるほどの集中力があった。たぶん、あの時期なら核爆弾が外で落ちても気がつかなかっただろう。人間、努力すればたいていのことはできるというのがよく分かった――たいていのことは。
 ただ、今回はだめだった。
 ぼくらははじめて無断で発売日を破った。

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