032/遅延お詫びのはがき
そして、95年がやってきて、ぼくらは人生のほかのすべてを放り出して「童話」を作り続けたが、夏を過ぎても、まだ本は完成にほど遠かった。絶望的な気分でぼくらはこのハガキを予約してくれたみなさんに送ったが、もはや「童話」が完成する日が来ることは永遠にないのではないかというどす黒い不安感がぼくらの心を覆っていた。ぼくと宮さんの口数は減り、白紙の紙を見ると吐き気に襲われる日々が過ぎていった。