宮さんに「童話」の話を持ちかけて以来、一年近くが過ぎていた。大学一年から二年に進級したぼくらはやっと本格的に作業を始めた。授業で会うたびにその週に書いた文章をぼくが宮さんに渡し、宮さんは書いてきた絵をぼくにくれた。この絵がその一枚目、本当にはじめて描かれた「童話」の絵である。この時には宮さんがまだ「童話」をもっとほんわかしたものとしてとらえていたために、絵もどこかのんきである。ぼくははじめて目にしたペチカの姿に喜んで、この時はまだ先行きを楽観視していたが、何がぼくらを待っているのかは知る由もなかった。