« 君の手であとはどうにかしてくれ | メイン | 三十代の暴走 »

2005年05月26日

無駄無駄無駄無駄ァァア!

前回の続きです。
掲示板の書き込みを読んで、ぼくの頭の中にある一番無駄な知識って何だろうかといろいろ考えてみたら、以下のようなものが出てきた。

・生まれて初めて憶えた小学校の時の電話番号。
三年持っている携帯の番号はまだ忘れることがあるのに、三十年前に憶えた番号は未だにすぐ出てくる。きっとぼけたりしたら、電話かける時は何でもこの番号にかけてしまうのだろう。

・ 受験の時憶えた、「中国の王朝の盛衰順」をあてはめた替え歌
誰から習ったのかも忘れたが、「いんしゅうとうしゅう、しゅんじゅうせんごく〜、しーんぜんかん、しーんごーかん……」という歌で、確かに受験には役だったのだが、その後何をどうしても脳が忘れてくれない。

・アメリカの教会の日曜学校で憶えたABCを逆に歌う方法
「ZYX、WV、UTSRQP〜」と逆順でリズミカルに歌うのだが、当時はけっこう「クール」だと思って、これみよがしに友達に披露していたような気がする。実際、友達もみんな「すげー」と言ってくれて鼻が高かったのだが、今考えると何が「すげー」のかさっぱり分からない。その後、英語の塾講師の面接を受けた時に「英語が得意だという証拠を見せて下さい」という質問に、この歌を歌ってみせたのだが、なぜか敢えなく落とされた。

・「ハロウィン」という古いホラー映画のほぼ全台詞
当時まだ日本ではほとんどホラーがビデオ発売されていなかった時代に、伝説の映画「ハロウィン」が手に入ったのだが、英語版だった。スタジオのスタッフで、現在消息不明のやまそうという男が大変にこの映画が好きだったため、全文を訳そうと一時停止しては再生、を繰り返して全台詞を書き取ったあと、それをひとつずつ日本語に訳していったので、自然と全部記憶に残ってしまった。たぶん、こんなもの憶えているのは世界でぼく一人だけだと思う。

・初代からスカイライダーまでの全仮面ライダーの外見的特徴、および詳細な変身のポーズ
小学校六年間に写したすべての写真に、なんらかの仮面ライダーの変身ポーズで写っているぼくとしては、これにはこだわりがある。小学校の時には自分で仮面ライダー辞典を編纂して、コピーして、学校でみんなに百円で売って、先生にパンチをくらったことがあるぼくだ。忘らいでか!という感じである。変身もただ適当に手を回すような子供だましのものではない。本物の変身は「腰」が入る。ぐっと腰から体を引き、指先までピンと力を込めて、腹から響く低い声で藤岡弘のようにうなるのである。「へんうぅぅしぃん!」 当時「テレビくん」で藤岡先生の解説を交えて、コマ送りされた変身シーンをボロボロになるまで研究したので間違いはない。藤岡先生が当時「変身は心だ。心でやるんだ」と仰っておられたので、未だに変身ポーズをするときは身が引き締まる思いになる。

以上。今回見つけたのはこのくらいだが、探せばもっともっと出てくるはずである。
たぶん第一志望の高校を落ちたのも、大学を一浪したのも、大学のフランス語がさっぱり覚えられなかったのも、未だに携帯電話の番号が覚えられないのも、これらの無駄な知識がぼくのハードディスクを占領しているからだと思われる。ぜひきれいさっぱり消してしまいたいところなのだが、実はこれらの知識を消すと、一緒に消えるものがあって、それができない。

仮面ライダーのことを忘れてしまうと、最初に子供心に焼き付けられた「正義を愛する心」も一緒に消えてしまいそうなのだ。「ハロウィン」を消してしまうと、みんなからムリだと言われたことでも、いっしょうけんめいやれば、けっこうやり遂げることができる、という教訓を忘れてしまいそうだし、「ZYX」の歌はどうでもいいけれど、それを忘れてしまうと、教会学校でこれを親切に教えてくれたおばあちゃんのことも一緒に忘れてしまうかもしれない。「王朝の歌」も同様に、歌は忘れてもいいけれど、これが頭にあるおかげで、どんなに受験が大変だったかを憶えていられるので、受験生を見ると親切な気持ちになれる。

電話番号?
うーむ。まあ、確かにもう三十年も使っていない番号だし、忘れてもいいと思うのだが、いつかもう一度この番号の加入権を買い戻して使いたいという夢があるので、まだ憶えたままにしている。

それにぼけた時、かける番号がないと困ってしまうと思うのだ。

投稿者 向山貴彦 : 2005年05月26日 19:35

コメント

コメントしてください




保存しますか?