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2005年04月11日
茶髪戦隊バトルシスターズ 「戦闘会議風景」
バトルシスターズ本拠地「ソニープラザ109号」の作戦会議室で。
ソファに転がって、ポテトチップを箸でつまんで食べながらNANAの新刊を読むバトルシャネル。そのシャネルにおそるおそるドドメが近づいてくる。ほかのメンバーは少し離れたところで爪の手入れをしたり、戦闘服にファブリーズをふってアイロンがけをしたりしている。
ドドメ:「あのさ、フォーメーションのことなんだけどさ。」
シャネル: 「(めんどくさそうに)あんだよ。なんか文句あるのかよ。」
ドドメ:「(ちょっとびびった声で)いや、そういうわけじゃないんだけど、ほら、やっぱもう一回みんなでフォーメーション考え直さない?」
シャネル:「ああっ!?」
シャネルがガタッと立ち上がる。ドドメ、思わず一歩引く。
シャネル「なんだと? (ほかのメンバーに向かって) おい、みんな。ドドメちゃんがフォーメーション気に入らないんだとさ。どうする?」
エルメス:「ちょっとどういうこと?」
サマンサベガ:「マジうざい、こいつ。むかつくー。」
ヴィトン:「うそー。やだー。信じられない。」
ドドメ:「いや、いや! ちょっと待って! 気に入るとか、気に入らないとかじゃなくてさ。ほら、ちょっと変じゃない、今のフォーメーション?」
シャネル:「なんでだよ?」
ドドメ:「だってさ、みんなは固まってかっこよくポーズとってるけど、おれだけなんか二メートルぐらい離れたところにいるじゃん。」
シャネル:「いいじゃね、目立って。」
ドドメ:「いや、二メートルってさ、なんか距離が微妙じゃん。敵の怪人とかと目が合うと、「おまえは仲間なのかどっちなんだ」っていう顔をされるわけよ。 めっちゃ気まずいんだよ。時々戦闘始まっても、おれ通行人だと思われてるみたいで、敵が誰も来てくんない時とかあるしさ。」
ほかの全員、顔を見合わせて爆笑している。ドドメ、ちょっといらついた顔になる。
ドドメ:「いや、マジ笑い事じゃないって。おれ、ドドメクラッシャー持ってるのにさ、誰もこないからすげー気まずくてさ、この前なんか思わず靴の紐がほどけたフリしたもん。」
ほかの四人、さらに爆笑する。ヴィトンが腹を抱えて死にそうになっている。
ドドメ:「あとさ、あの最後のとどめの時に出す「バトルビューティフルアタック」におれが入ってないのってやっぱまずくね?」
シャネル:「だって、おまえビューティフルじゃねえから。」
ドドメ:「そんなんおかしいよ! 一応、仲間じゃん。やっぱほかのチームとか見ても、最後はみんなでやってるよ。」
シャネル:「(笑うのをやめてむかついた顔に戻る)ほかって誰だよ。」
ドドメ:「……いや……ほら、パワーレンジャーとかさ。」
シャネル:「外人じゃねえかよ。(むなくそ悪い顔をして)そんな外人がいいんだったら外国行けよ。」
ドドメ、ちょっと傷ついたような顔になる。声は狼狽しているが、いっしょうけんめい気丈に振る舞い続ける。
ドドメ:「いや、そういうこと言うかなあ。今、そういう話してるんじゃないと思うんだけど……」
シャネル:「じゃあ、どういう話してるんだよ。」
ドドメ:「だからほら、最後の技にやっぱり——」
シャネル、ドドメの言葉を遮るように、同情的にドドメの肩をポンとたたく。
シャネル:「はいはい。分かったよ。要は仲間に入りてえんだろ。寂しかったんだよな……ドドメちゃん、かわいそうにかわいそうに。」
ドドメ:「(むくれて)いや、そういうんじゃなくて、やっぱこうチームワークっていうか……」
シャネル:「分かった。じゃあ、今度からおまえとどめの時に「ビューティフルアタック!」って叫ぶ役やれよ。でも、叫び終わったらすぐどけよな、じゃまだから。」
ドドメ:「じゃまって……ひどいよ!」
ヴィトンが向こうからネイルに仕上げのペーパーかけながらドドメに言う。
ヴィトン:「そうだよ。あんた、トロいからいつもじゃまなんだよ。この前もさ、あたしが後ろ回り蹴りしようとしたらさ、こいつぼーっと後ろに立ってるんだもん。危なく不細工な顔にまともに蹴り入れそうになって焦ったよ。」
ドドメ:「あれは後ろで援護してたんだよ!」
ヴィトン:「あたしが援護いるように見えた?」
ドドメ:「いや、でも……やっぱり不測の事態とかあるし。」
ヴィトン:「っていうかさ、おまえ後ろからこっそりついてくるからストーカーみたいでキモいんだよ。いるよな、こういうストーカー?」
ほかのみんなが一斉に「いるいる」と輪唱する。
シャネル:「(ポンとドドメの肩を再びたたいて)……ていうかさ、おまえもう次から出撃しなくていいよ。基地で夕飯作ってろよ。おまえ、料理だけはけっこういけるしさ。 この前の海老ドリアとかけっこううまかったよな。」
エルメス:「ああ、あれおいしかったね。」
サマンサベガ:「あたし、先週のトマトと生ハムのパスタがちょっと好きだったな。」
ドドメ:「(少しうれしそうに照れながら)でもおれ、やっぱり戦闘に出たいんだけど……。」
シャネル:「ご飯の仕度できたら、ちょっとぐらい参加してもいいよ。雑魚の戦闘員とか何人か残しといてやるからさ。」
ドドメ:「でも……」
シャネル:「分かった。じゃあ、怪人にもドドメキックさせてやるよ。ただし、あたしたちが倒したあとだけどね。」
ドドメ:「そんなん意味ないじゃん。」
シャネル:「だっておまえ相手動いてたらキック当たらないじゃん。」
ドドメ:「……。」
突然ヴィトンが立ち上がって、あわててシャネルに言う。
ヴィトン「あ、シャネル! クドカンの新しいドラマ始まるよ!」
シャネル「(今までよりずっとあわてた声で)うそ! やばっ! (ドドメに早口で)じゃあな、ドドメ。ちゃんと寝る前に女子トイレの床磨いとけよ。あしたチェックするからな。」
ドドメ:「いや、ちょっと待って——」
ドドメ、引き留めようとするが、全員テレビを見に出て行く。ドドメ、一人会議室にとり残され、しばらくいじけた顔で床を見ていたあと、長い溜息をつく。やがて黙ってメモ帳を取り出し、それに「エビ、生クリーム、マッシュルーム(缶詰)、とろけるチーズ(細ぎり)」と書いて、溜息をついて出て行く。
(……つづく……かも。)
投稿者 向山貴彦 : 2005年04月11日 03:13