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2005年04月01日
物語の法則 part1 【時代別男性&女性キャラの法則】
こんばんわ。「物語の法則」研究家の向山貴彦です。
物語の約束事も時代と共にどんどん移り変わっていきます。中でも男性と女性の役割はこの二十年で大きく変化してきました。今日は前世紀と今世紀で、物語の中の男女の役割がどう変わったのかを一緒に見ていきましょう。
典型的な女性主人公の名前
20世紀:しおり、あきこ、ゆうこ
21世紀:はるか、ひとみ、惣流アスカ・ラングレー
典型的な主要女性キャラの性格
20世紀:おしとやかで控えめ、家事が得意
21世紀:周囲の全男性よりもぜんぜん強い
20世紀の物語ではとにかく女性はサポート役でした。基本的には恋人として、妻として、母親として、男性の主人公を影から助けるか、クッパに誘拐されるのが主な役割でした。しかし、今では男女のペアが戦闘に派遣される場合、たいてい女性の方が格闘技の専門家で、男性はパソコンを扱う虚弱体質の理数系だったりします。
典型的な主要男性キャラの役目
20世紀:最前線で敵を討つ
21世紀:主要女性キャラにいじめられる
典型的な主要女性キャラの役目
20世紀:情報収集、ごはんの準備
21世紀:相手を皆殺しにする
主要女性キャラが追いつめられた時に男性に発する典型的な台詞
20世紀:「助けて〜」
21世紀:「さがってな」
代表的な主役男性キャラと台詞の例
20世紀:矢吹丈 「かかってこいよ!」
21世紀:碇シンジ 「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」
主役男性キャラの特技の例
20世紀:右ストレート
21世紀:現実逃避
男性キャラは女性主人公の台頭によって、年を追うごとに肩身が狭くなっているようで、すでに見るに堪えられない状況になりつつあります。今もし矢吹丈がヒロインに「女はじゃまだ。さがってな。」などと言って押しのけようものなら、後ろ回し蹴りを食らった上に、取り巻きの女性にみそかすに言われ(「その髪型何? それかっこいいつもり? ばっかじゃないの。」)、挙げ句の果てにセクハラで訴えられて明日のないジョーにされてしまいます。我々男性には恐ろしい時代になったものです。
とにかくこうまで役目が変わってしまうと、物語の内容もかなりの影響を受けます。いくつか例を見ていきましょう。
ゾンビの群れに襲われた女性主人公の顛末
20世紀:命からがら島へ脱出
21世紀:ゾンビに同情したくなるまで徹底的に反撃する
典型的なヒロインの設定
20世紀:病気の両親に代わって、兄妹などの面倒を見ている
21世紀:無能な両親に代わって、世界などを救う
典型的なヒロインが持っている小道具
20世紀:コンパクト、口紅、魔法のステッキ
21世紀:自動式小銃、モビルスーツ、格闘技の皆伝書
熱血で我を顧みない男性キャラの物語内の位置づけ
20世紀:主人公、1号機に乗る人
21世紀:みんなが止めているのに最初に飛び出して、いかに相手が強いかを示すためだけに死んでくれる人
内気でひきこもりのいじめられっ子の男の子の物語内の位置づけ
20世紀:中盤のエピソードで主人公の優しさを見せるために、主人公によって都合良く救われるちょい役
21世紀:主人公
頑固で一徹な中年男性の物語内の位置
20世紀:艦長、コーチ
21世紀:いない
めがねをかけて、勉強が得意で、華奢な体つきの男性キャラの物語内の役目
20世紀:「博士」あるいは「めがねくん」というあだ名で、読者に難しすぎる内容を懇切丁寧に解説する人
21世紀:唯一主人公並み、あるいはそれ以上に強い人
まとまりのないクラスを表現する際の男女の比率と役割
20世紀:騒いだり暴れたりしている男子の集団と、両手を腰に当ててそれをしかっている委員長の女の子
21世紀:化粧をしたり、プリクラを交換している女子の集団を必死になだめている気の弱い男の子
男性ばかりの集団にたった一人だけ属している女性キャラのもっとも重大な役目
20世紀:みんながくじけそうになった時にはげます
21世紀:最後のとどめをさす
いかがでしょうか?
今日は現代における男性と女性の物語内の役目についてみてきました。
このような変化がもっとも著しく反映されているのがゴレンジャーに代表される「戦隊もの」の構造変化でしょう。
昔はピンクの位置に女性が一人いるだけで、それも全体の中では非力なキャラとして描かれていました。中盤で不幸な少年を助けて、一人で懸命に怪人と戦い、寸でのところでレッド以下の男性群に救われ、「よくがんばったぞ、ピンク」などとほめられたりするのがせいいっぱいの時代でした。
それが今では女性キャラも増え、比率も限りなく半々に近づいています。今もし上のような状況が起きたら、レッドたちが駆けつけてきた頃にはピンクは八つ裂きになっている怪人の死体の上に座って、戦闘中にはげたネイルペイントをやり直しながら、レッドたちに言うはずです。
ピンク「やっときたのかよ。」
レッドたち「ピンク、無事なのか!? よかった!」
ピンク「ざけんなよ、てめえら。マジおせーんだよ。だから、いつもてめえらだせーって言ってんだよ。もういいよ、あたし来週からソロになるから、おまえらもうこなくていいよ。」
こうなったら「女性四人の戦隊に一人だけ男性」、なんていうパターンも出てくるのはもはや時間の問題です。男性は女性四人に勝手に衣装とか決められて「おまえダサイからドドメ色ね」といじめられ、出撃する時も「ちょっと、あんた先に様子見てきて」などと虐げられ、五人揃っての決めポーズの時もレッドのハイヒールを頭で支える役にさせられたりすることでしょう。しかも女性はみんなブランド品で身を固めているので、当然名前もこうなります。
「バトルエルメス!」「バトルシャネル!」「バトルヴィトン!」「バトルサマンサベガ!」
「バトル……ドドメ……。」
「なにちっちぇえ声で言ってんだよ、てめえ! いやなのかよ、その名前よお!」
「いえ。気に入ってます。」
「じゃあでっかい声で言えよ、こらぁ!」
「バトルドドメ!」
「けっ。うぜっ。おい、みんなドドメほってバーゲン行こうぜ。」
21世紀は男性にとって、大変な時代になりそうです。
投稿者 向山貴彦 : 2005年04月01日 22:59