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2005年02月27日
自分同人誌
おせじにも上手とは言えないが、子供の頃から絵を描くのは好きだった。ぼくの世代のご多分にもれず、生まれて初めてなりたいと思った職業は漫画家だった。
で、昭和後期生まれの子供なら必ず覚えがあると思うが、文房具屋で本格的なペンとケント紙を買ってきて、次世代の手塚治虫を目指してみたりしたことも記憶にはっきり残っている。
「もし自分にとんでもない才能があったらどうしよう」などと心配しながら、とりあえず1頁描いてみて、冷静にそれを見返してみる。——と、何か変だ。確かに漫画を書いたつもりなのに、ちっとも漫画に見えない。それどころか、下手したら絵にも見えないかも知れない。ひとしきり考えたあと、理由を次のいくつかにしぼった。
1、定規がなかったので枠線を全部手で引いた。
2、なので、すべての直線が酔っぱらったおやじが左手で引いたような状態になっている。
3、もしかしたらこのトーンというやつは糊ではってはいけないのかも知れない。
4、しかも、それしか在庫がなかったという理由で買った花柄のトーンは必要なかったのではないか。
5、でも、せっかくなので、もったいないから主人公のズボンに貼ったのがまずかったかもしれない。
5、とか、いろいろ考える前に、もしかしてこのGペンというやつはインクが入っていないのではないか。
6、そういえばペン入れしたはずなのに、下書きとちっとも変わってないぞ。
と、まあ、今さら考えてもいったい何が悪かったのか分からない。もしかしたらGペンが不良品だったのかもしれない。
とにかくあれから時を経ること二十数年。小説家という職業についているが、いつも漫画を描いてみたいという気持ちはどこかに残っていて、世界堂文具店の前なんかを通ると、ついついGペンを買ってみようか、などと思うことがある。
で、最近家の片隅に埋もれていたパソコンのペンタブレットを発見し、BFCでたかさんがこれを使って絵を描いていたことを思い出し、戯れにそれをつないでみた。で、一日中、夢中で絵を描いてしまった。
しかも、そのあとふと思い立って映像編集ソフトでちょっと編集をしてみると、ぼくの下手な絵でもちゃんと動いて見えるではないか! これがなんかすごくツボにはまって、それからというもの、趣味が絵を描くことになっている。絵と言っても、もちろん漫画である。何しろ手塚治虫&ジャンプ世代の子供である。絵といえば、まず漫画なのだ。
けっきょく近くのアニメショップでアナログの漫画道具も買い込んで、暇を見つけては落書きをしている。(Gペンは売っていたが、相変わらずインクが出ない不良品ばかりだったので、漫画ペンという分かりやすい名前のものを買った。)今、自分が描いている小説のキャラクターなども絵にして遊んでいる。で、そんなことをしているうちに、ふいに人物の顔をどうやって描いたらデッサンが合うのかにも気がついた。そうなると、いよいよ面白くなって、こりゃもう同人誌でも作るかー、とひそかに決心している。
というわけで、近い将来同人誌会場で、場の雰囲気にまったく溶け込んでない30代半ばのおやじが、周りのボーイズラブ本に萎縮しながら、異様に下手な絵で描いた、「童話」か「BFC」か「(新しい作品の題)」のキャラ本を売っていたら、あるいは作者本人かも知れないので、間違ってもそうなのかどうか聞かないでください。
きっと全力で否定されます。
投稿者 向山貴彦 : 2005年02月27日 12:31