2000/03/03 【すぐ近くにある闇】 昨日都内の某所で行われたイベントに参加した帰りのこと。すっかり遅くなって終電間近の中央線で居眠りをしていたら、いきなり電車が緊急停止した。窓から外を見ると駅でも何でもないところ。比較的人もまばらな車内で見知らぬ者同士が言い知れぬいやな予感で顔を合わせている。中央線の利用客はこの手のことになれているのである。まもなく車掌の声でアナウンスが流れた。 「ただいま緊急停止中です。原因を調査中です。しばらくお待ち下さい。」 車掌の声はおそらく繰り返し積まれた経験によって冷静なのだが、その後ろでインターホン越しに混乱の叫びや悲鳴が聞こえてくる。乗客全員の溜息が車内を走った。今年に入ってからだけでも、これでいったい何回目だろう。まもなくアナウンスの続きが流れた。 「先ほど武蔵境を出ました踏切にて、先行していました特別快速列車に人身事故がありました……」 一分前に連絡した列車である。ぼくも乗り換えようかと思ったやつだ。ぼくのとなりにいた二人の女子大生は実際に乗り換えたはずだ。現場はすぐそこなのだろう。 救急車の音が近づいてくる。しばらく帰れそうにない。時計は深夜十二時を回っていた。
2000/03/05 【直に分かる】 先日、会議のあと、みんなでカレーを食べていた時のこと、たまたまその日、実家から送ってもらったキムチをみんなに出したことから、ちょっとした漬け物論争になった。洋司とフラとぼくの三十代リーチトリオがぬか漬けやつぼ漬けに盛り上がって騒いでいたところ、ハタと気がつくと、いつの間にかねこぞうと宮さんの視線が冷たくなっていた。冷静に、客観的に自分たちを見ると、キムチをつまみに緑茶を飲んで高菜の食べ方に盛り上がっているおやじ三人である。確か最後に覚えている時にはぼくらはまだ山口の田舎で中学生をやっていたはずなのに、いったい何が起きてしまったのか?なんでぼくらはこんな東京の片隅で固まって、プレステ2ではなく、好きな漬け物の種類について語り合っているのだ?――いくら考えても分からない。周りはみんなぼくらが今年三十だという。こともあろうに政府の発行している運免許証にまでそんなことが書いてある。しかし、そんなはずはないのだ。ぼくらはまちがいなくまだ二十歳前後のはずである。だって、中学校を卒業したのなんてまだこの前だし、成人式なんておとついぐらいの出来事だったはずだ。今年、三十だなんて、そんなバカな!?うそだろ?ねえ、誰かうそだと言ってくれ!
2000/03/09 【復活の日】 神はいた!奇跡は起きた! いや、ほんとに。 ぼくはよく見るページはブックマークに登録している。IEの「購読」機能を使って、毎晩寝る前に更新されたページがあるかどうか確かめているのだが、この購読機能、ページが更新されていると、そのページの名前の前にチェックがつく。そして、当然の事ながらスタジオのスタッフのページはひととおり「購読」している。――そして、今日。さっき何気なく「購読」していると、あろうことか、大ちゃんのページ「下関見聞録」にチェックがついている。昨年の九月に登録して以来、そこには一度もチェックがついたことがなかった。いつしか意識が自動的に「チェックがつかない欄」として認識していたので、最初はパワーブックが壊れたのかと思った。「大ちゃんが更新した」という可能性よりも、先に「ハードが壊れた」という可能性の方を考えてしまうことがある意味怖い。でも、それぐらい久しぶりの更新だったのだ。なるほど見に行ってみると、ささやかながら日記の新コーナーが……。 そんなわけで奇跡は起きた。神の復活を目の当たりにした信者のような気分である。
2000/03/19 【ピンポンパンポン】 ピンポンパンポン〜♪ 館内の皆様にお知らせいたします。 ただいまスタジオ1階メインロビーにてスタジオエトセトラ公式掲示板の開設を行っております。各種機能など取りそろえてお待ちしておりますので皆様奮ってのご来場をお待ちしております。現在までの所、まだあまり誰もその存在に気がつかず、スタッフの挨拶だけしか掲載されていない極めて寒い状況となっております。スタッフ一同ヒヤヒヤしながらこの状況を見守っておりますので、ぜひこの機会にご来場下さいませ。 ピンポンパンポン〜♪ 次のお知らせです。 迷子のご案内をお知らせいたします。 捨てられた子犬のようなつぶらな瞳と似つかわしくない頑健な体格のやまそうくん、ご家族のみなさんがスタジオ一階正面玄関にてお待ちです。近くの係員まで安否をお知らせ下さい。 ピンポンパンポン〜♪ ただいま四階、寿少年においてリニューアル感謝セールを行っております。先着5名様に愛のメ……
2000/03/20 【クッキーかケーキか】 以前はこの近くにもあったんです。「ステラおばさんのクッキー」。非常に小さいながらも喫茶コーナーがあったのでよくお世話になっていました。必ず買っていたクッキーが「ライスクリスピー」。これとアイスティーで何度となく素敵なひとときを送らせてもらいました。 「ステラおばさん」が入っているのは駅ビルの地下だったのですが、ある日、そこに新しくチョコレートケーキのToppsが入るという情報を聞きました。これまたぼくの大好きなお店だったので、当然大喜びでした。特にToppsは要冷蔵なので、夏場などは新宿から持ち帰るのもなかなか難しい。近くで売っていれば今後は気がるに買えるというものだ。 そうこうしているうちに地下の改装が終わって、ある日、行ってみると売場の様子が一変していました。――すぐにToppsの看板が目に飛び込んでくる。おおーっ!噂は本当だった!と万歳を仕掛けたとき、ふとそこが「ステラおばさん」のあった場所だということに気がついた。 「二兎」がどうのこうのいうことわざが頭をよぎった。
2000/3/22 【状況はますます悪化している】 最近、危機感を強めている。 以前はワンパラを書くときにはゆっくり机の前に座って五分ぐらいネタを考え、十五分ぐらいかけて書き、一、二回読み直してからアップしていた。読み直してあんまり面白くないときには書き直すことまでしていた。ところがこの半月間、ずっと毎日追われていて、下手をすると更新する時間が五分もないことが多い。そんなだからとりあえずネタも考えずに書き始めたりする。(今日とか。)
で、当然のように行き詰まる。(今とか。)なんとか強引にオチをつけようとして引き延ばすのだが(だから今とか。)、けっきょくなんのオチもつかずに終わってしまうことさえある。(たぶん今日とか。)そんなわけでワンパラの質が下がっていることを危惧していたのだが、ここに来て、ワンパラと反比例するように大ちゃんとこの日記がおもしろくなってきている。くやしいが、つい毎日読んでしまう。これにはかなり危機感を強められた。そして、さらにねこぞうのねこつうが卑怯すぎるほどおかしい。とても20代前半の女の子がやるネタじゃないことばかりとりあげて、卑怯きわまりないと思うのだが、いつもうけてしまう。(スイカとか。)このままでは次の全体会議で「おまえらもちゃんと更新しろよ」とかでかい口をたたくことができなくなってしまうかもしれない!――かくなる上は大ちゃんが一日も早く挫折することを祈るのみである。(ほら、やっぱり。)
2000/03/23 【たった一度の今日という日】 今日がみなさんにとってどんな日だったか、ぼくには知る由もない。ある人にとっては卒業式だったかもしれない。ある人にとっては結婚式だったかもしれない。町を歩いている時にどっちも見かけた。きっと今日という日が死ぬまで忘れられない大切な日になった人もたくさんいるのだろう。で、ぼくはと言うと今日は長い人生でも記録的に退屈な一日となってしまった。ヒマだということではない。一日中仕事をしていた。ただ、その仕事というのが現在装丁をやっている本の文字詰め、ルビ振り、漢字表記統一という恐らくこれ以上ないほど地味な作業だったのである。音楽をかけて気を紛らわしながら昼頃からずっとパソコンに向かっていたのだが、あまりに単調な作業の繰り返しに日が暮れた頃、気が触れそうになった。それで気持ちを切り替えて久しく書いていなかった800を一本書き、アップしてからさっき食事を取りに出かけていた。(本当はロールキャベツを作りたかったのだが、ぜんぜん時間がなかった。)そんな途中に別れを惜しんで雨の中、いつまでも卒業証書の入った筒を片手に談笑する一団を見て、上記のようなことを考えた。今日という一日も、人の数だけきっとある。――さて、また気でも触れにいくとするか。
2000/03/24 【絵に描いたオチ】 確かにマックは昔から良く止まった。専門的にはフリーズというのだが、パソコンじゃなく、冷蔵庫かと思うぐらいによく凍る。雑誌や専門家がその原因を機能拡張の入れ過ぎやメモリ不足などに起因するものとして説明しているが、絶対にそんなことではないと思う。現在スタジオのメインマシンであるG3には必要最小限のアプリケーションしかインストールせず、メモリも限界まで積んであるが、インターネットエクスプローラーを開いただけで止まったりする。一日に数回は確実に凍る。ビールを冷やすなら、冷蔵庫に入れるよりマックに突っ込んだ方が早く冷えるのではないかというほどの凍りっぷリだ。特にここ最近ひどすぎるので、苦肉の策として二つのマックで作業している。違う作業を並行して行い、片方のマックが止まったら即再起動、反対のマックに移る。こうでもしないと、再起動する間の数分間に発狂しそうになるのである。 上の文章がなぜここで途切れているかというと、その時点でセーブをしたからである。十分ほど前にこの文章を一旦打ち終わったとたんに、まるで内容を分かっているようにお約束のフリーズをマックがかましてくれた。実は最初に書いたのもこれと同じオチで、その時はギャグのつもりだったのだが、まるっきり本当になってしまって、本気で今笑えない。 |