1999/12/09 【最近は和食です】 三食の中でどれが一番好きかと聞かれれば、これはもう文句なく朝食である。三回とも朝食でもいいと思うぐらいだ。十代の後半や二十代の前半は愚かなことにこの朝食というやつをほとんど抜いていた。しかし、最近早起きを心がけるようになってからは朝食の習慣が小学校以来に復活し、とても充実している。和式も洋式も大好きだが、最近は圧倒的に和式が増えた。昔は生卵や納豆が人間の食べ物だと信じられなかった時代があることを考えるとえらい変わり様だと我ながら思う。朝食よりも深夜の見ては行けないテレビの方に圧倒的に興味のあった中学生時代の自分に今の自分のことを教えてやったら、きっと「だからおやじはいやだ」と吐き捨てられる気がする今日この頃の向山。
1999/12/10-11 【嗚呼、遙かなる肉うどん】
東京に出てきてショックを受けたことはいっぱいあったが、その中でも最強だったのが肉うどんである。ぼくの出身地である山口では、駅の立ち食いそば屋が目に入った場合、たとえ今、会席料理のフルコースを食べた直後で、これ以上一口でも食べると死の危険がある状態でも、うどんを食べないといけないという条例がある。そんなわけで東京駅でも立ち食いそばに入って、山口では基本である肉うどんを頼んだ。出てきた丼の中を見たとき、一瞬目を疑ったが、まさかと思い、一口食べて確信した。「ぶ、豚肉!?」ぼくの中で何かが音を立てて壊れた。山口では肉うどんの肉は牛肉に決まっている。いや、少なくても公証では牛肉である。実際にはハムスターの肉かも知れないような得体の知れないクズ肉なのだが、そんなことはどうだっていい。
あのうすいだし汁に浮いたシコシコのうどんとそこに浮かぶ異様にどす黒い色のうすっぺらい肉。おそらくじぶ煮か何かにされているのだろうが、少なくても昭和が終わる前から煮込まれていると思われる牛肉(あるいはそれに類するもの)はもはやそれがもともとどこの部位のものかも分からないほどになっている。(ヒレ肉でないのは確かだ。)あの絶妙なハーモニー!あの破壊的にチープな味!あれこそ立ち食いうどんの神髄!なのに、あろうことか、東京は豚肉を使用しているではないか!しかもちゃんとした部位の豚肉だ!それもさっと味付けしただけだ!うどんの汁はヘドロみたいに黒くて味が単純だし、値段は立ち食いうどん離れしている!下関ならふぐのコースが食えるような値段だ!(←ちょっとうそ)
あの日、ぼくはカルチャーショックという言葉の意味を知ったのだった。ああ、田舎の肉うどんが食べたい!
このワンパラ、なぜか掲示板で大変な論議を呼びました。それぞれの地域から肉うどん報告をもらって、実に楽しかった!
1999/12/12 【過去を尋ねて】
かつて駄菓子屋で五十円で売られていた「あたりまっせ」というチョコレートを憶えている人はいるだろうか? チロルチョコの会社から出ていたチロルチョコの上位バージョンのようなもので、包み紙の裏に「あたり」とか「はずれ」と小さく書いてあった。当たるともう一本もらえるのだが、ぼくは連続で三本当たったことがある。とにかくほかの当たり付きのお菓子と違って、極めてよく当たった。十回に一回ぐらい当たった気がする。そして、味も意外によかったので、ほとんど毎日買っていた。昨日、ふと見つけたチロルチョコのページでチロルの歴史をやっていて、それを見ているうちに思い出した。無性に「あたりまっせ」が食べたくなったので、もう売ってないのかという問い合わせを思わずメールで送ってしまった。今、わくわくしながらその返事を待っているところ。 
その後、「残念ながらもう作っていない」という旨の丁寧な返事をいただきました。ありがとうございます。
1999/12/13 【学校帰りグルメ】
現在はどうなのか知らないけれど、ぼくらが中学校の頃にはポケットに入っているお金は特別な事情がない限り(1月1日とか)たいていは数百円だった。マンガ雑誌一冊まともに買えないお金だったが、学校の帰りにそれで買い食いをするのが最高の楽しみだった。夏だったら30円の当たり付きアイス「ホームランバー」。今の季節だったらとりあえず定番は肉まん。第二候補でベビースターのカップラーメン。(カップヌードルを作るときに出たゴミを集めたようなやつ。)缶ジュースというのは贅沢だった。飲み物が欲しいときにはビニールのチューブに入った20円のソーダ水か、30円のベビーコーラを飲むが基本だ。あとは余った端数の十円玉で本当は消しゴムの消しカスかもしれないスルメか、明らかに当たりくじの抜かれたベビーカステラを買って、道すがらチビチビかじりながら帰るのである。まさに人生最良の時間!
このネタを膨らませて書いたのが800の「赤色103号の逆襲」でした。
1999/12/14 【個人的ギネスシリーズ2/公共料金滞納記録】 世のすべての独身男性のみなさん、および一部の独身女性のみなさん――どのくらい公共料金を滞納したことがあるかを自慢する時間がやってまいりました。
えっ?電話を止められた。そんなのは当然。ぼくは止められたのみならず強制解約されたこともあります。 ガスの元栓を締められた?水道を止められた?電気が通らない?どれもぜんぜん甘い。ぼくはそれを三つ同時にされたことがあります。Y2Kみたいでした。
新聞の集金係に居留守を使ったことがある?甘いな。ぼくは払うのがイヤで引っ越したことがあります。 NHKの集金係にNHKを見てないと言い張ったことがある?甘いな。ぼくは「あれはテレビじゃない。冷蔵庫だ。」と言い張ったことがあります。そして、尚かつそれを通したことがあります。
どう?まいった?
1999/12/15 【悲しい心を歌に託して】
悲しいことがありました。ヒントは以下。
―――――――――――― *クラッシュ!クラッシュ!G3!! クラッシュ!クラッシュ!G3!! クラッシュ!クラッシュ!G3!!
マイクロソフトをインストール とたんにモニタがオールブラック 押しても弾いてもふっても蹴っても うんともすんとも言やしない 最後の頼みとノートン入れたら
データも消えちゃった〜 (やぶ医者やぶ医者やぶ医者) もうハードディスクをフォーマット やけくそ、物理フォーマット
*くりかえし×2
1999/12/17-19 【今世紀最高の終焉】 『ピーナツ』が終了する。
ぼくにとって今世紀でもっともショッキングなニュースのひとつだった。日本では「スヌーピー」という名前のマンガだと勘違いされているチャーリー・ブラウンなどのキャラが出てくる新聞連載のあの三コママンガである。想像を絶することに、この50年間、一日も休まずに世界中数十カ国で掲載されている怪物コミックである。もはや一国の新聞マンガだとさえ言えない、今世紀を代表する惑星的な文化遺産だ。スヌーピーの絵がついたグッズを何ひとつ持たずに育った子がこの数十年の間に何人いるだろう? スヌーピーと言われて「何それ?お菓子?」と応える人が世界に何人いるだろう?
昔、テレビのドキュメント番組でアフリカの子供が現地の言葉に訳された「ピーナツ」を読んでいるのを見たことがある。それはロシアの子供たちがマクドナルドのハンバーガーを食べて喜ぶ姿を見るのや、中国の繁華街でコーラの自動販売機を見るのによく似ている。
これらの文化はどれも芸術やアートとはほど遠いものばかりだ。著名な評論家にも笑って無視する者が多いだろう。でも、この半世紀、大きな戦争が起きていないことは、あるいはこういう「低俗」とされている文化のおかげだとぼくは思う。
かつて、日本がロシアやアメリカと戦争をした時、両国ともお互いのことを何も知らなかった。今では平気で日本のテレビで芸能人をやっている陽気なアメリカ人が、その時代、「鬼畜」と呼ばれていた。今なら、「フォレストガンプ」や「タイタニック」に涙した日本人の何人がそれを信じるだろう?
でも、コーラの味さえ知らなかった当時の日本人には、アメリカはただ理解しがたい恐ろしい異国だったのだろう。 もし今、戦争が起きて、また日本が軍国主義をとって、思想統制や洗脳で相手を憎むよう仕組まれた普通の若者が戦場に出向いたとしよう。そして、同じ年齢の相手国の兵士を殺すチャンスがあったとしよう。その時、もし相手の兵士が自分と同じ色のゲームボーイを持って、コーラを飲みながら、スヌーピーのTシャツを着ていたら、果たして昔ほど簡単に銃で撃てるだろうか。
国境を意味のないものにするほどにすばらしい、地球規模で一人のキャラを愛させる「低俗」なこれらの文化がいつか世界を救うと思う。「ピーナツ」はそんな文化のひとつで、その中でも一番すばらしいものだった。作者、シュルツ氏に最大の敬意を持って、二十世紀後半を担ったコミックの終焉に拍手を送りたい。
このあとまもなくしてシュルツ氏が亡くなりました。本当に悲しいニュースでした。詳細はもう少しあとのワンパラに出てきます。
1999/12/21 【モーニング向山。】 生活が朝型になって分かったこと: - 朝は吉野屋などの牛丼屋でも特別メニューをやっている。
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ほとんどのファミレスでは十時まで朝食用の別メニューを使っている。
- ただし、ロイヤルホストだけは十一時。
- 「どーなってるの」のメンバーが替わっていた。
- 「開け!ポンキッキ」の「開け!」がとれて、複数形になっていた。
- 朝はすごく寒い。
- 実は大半の人が朝、ちゃんと起きている。
はい。人生を反省していますです。はい。 |