夏の終わりの憂鬱

夏が終わり、九月に入って、少しずつ気温が涼しくなり始めるこの季節、いつも寂しくなる。

暑かった夏の終焉……迫り来る秋の予感……町からも少しずつ明るい色が姿を消し始める。

青とか、黄とか、赤色102号とか。

そう、町からかき氷が消えて行くのである。かき氷だけではない。「氷製品」すべてが次々に店頭から消えていく。自他共に認める日本一の氷好きとしては、かき氷、フラッペ、フラペチーノ、フローズン、スムージー、スノーコーンなどの氷系甘味があらゆるところで売られる夏が一年で一番のパラダイス。

しかし、理不尽なことにその季節は長く続かない。たいていは七月と八月だけである。なんのいやがらせなのか、どこの店も示し合わせたように九月一日にいきなり氷製品の販売を中止する。それもたいてい何の予告もなく!

ローソンのかき氷も、武蔵野茶房の氷パフェも、鯛焼き屋のつぶつぶイチゴ氷も、ミスドのフルーズンも、みんな9月になると突然消える。しかも、どこの店もまるでかき氷器が仇のように、すぐに取っ払って、その場所に必ず肉まんの蒸し器か、おでんの鍋を置く。そしてこの憎き調理器具たちは秋、冬はおろか、春の終わりまでかき氷器の場所を占領し続けるのだ。コンビニに行って中華まんの機械を見ると、いつも怒りがふつふつとわき上がってくる。「おまえさえいなければ……おまえさえいなければずっとかき氷が食べられるのに……」

そんなわけで九月は毎年少し悲しい。毎度お馴染みのミニストップのハロハロ……案外傑作だったミスドのフルーズン……一度だけ食べた名古屋の名店のかき氷……みんな、もう今ではいい思い出……

仕方ないので、前々から目を付けていた家庭用電動かき氷製造器「アイスロボ3」を購入して、しばらくはこれでやりすごそうと思う。いつか、日本人が自らの過ちに気がついて、肉まんを法律で排除し、年中無休でかき氷を販売し始めるまでは。



<本日はフォントの大きさを調整しようと努力した結果、改行とインデントができなくなってしまいました。二つが同時にできるように引き続き頑張ろうと思います。>

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