人生のスケジュール

先カンブリア期あたりからスタジオの片隅で眠っている書類の整理に取りかかった。箱を開けて五分と経たないうちに気が遠くなるほど懐かしい品物が次々にあふれ出してくる。中には十代の時に書いたものも含まれているので、確実に一人でいられる時間を選んだ。もし十代の時に書いていたアイディアノートなど見られたら、もうその場で焼却処分である。もちろんノートの方ではない。見たヤツの方をだ。まだ至る所に人生に関する淡い幻想が見られるので、今の年齢で読み返すとたまらなく恥ずかしい。中で強力だと思ったのは、30歳までの人生の予定を書いたスケジュール票である。書いたものはなんでも残す主義のぼくでさえ、これだけは本気で捨てよう思ったほどだ。――えっ?中身?とてもじゃないがそんなもの公開できるわけがないが、もし予定通りにいっていれば、今年ぼくは六作目の長編でノーベル文学賞を受賞していたはずだとだけ言っておこう。

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