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新年の抱負とでも言うべきでしょうか

1月 2nd, 2006 — 2:04pm

あけましておめでとうございます。
小休止中ですが、本年もどうぞMOBS&CO.をよろしくお願いします。
けっきょく昨年は新しい本を一冊もお届けすることができなくて、申し訳ないです。いくつかの企画を並行して進めているのですが、何分、要領が悪い上に凝り性なもので、いつも準備段階と下書きに膨大な時間がかかってしまいます。世の中には一年に十冊も長編を書ける人だっているというのに、いつも二、三年に一冊ペースで、我ながら自分のトロさにあきれてしまいます。
書いては読み返し、主人公たちに「これでいいか?」と尋ねると、返ってくる返事はたいてい「違う。私はこんなんじゃない!」とかで、また最初から書き直したりを繰り返しています。時にはあまりに書くのが難しいので、ヤケになって「おまえなんか話から消してやる!」と特定のキャラクターを消してしまおうとしても、頭の片隅でそのキャラクターが寂しそうにしているのが見えて、仕方なくもう一度登場させたりしています。——そんなケンカと仲直りを数ヶ月に渡って繰り返しているうちに、一人一人がどんな人間で、どういうことに喜び、どういうことに悲しんでいるのかが分かってきて、やがてそれぞれのキャラクターを理解できるようになってくるみたいです。
たぶん、キャラクターを作ることは、友達を作ることと良く似ています。
出会って、話して、仲良くなって、誤解して、ケンカして、仲直りして、またケンカして……そうやって気がつくと、その人がほかの大勢の人とは違う特別な存在になっていくのだと思います。そして、どんなにがんばっても、どんなに急いでも、キャラクターを作るのも、友達を作るのも、時間が必要だと思います。二、三日でできた友達は、二、三日も会わなければ離れていってしまう。でも、二、三年かけて築いた関係は、何年会ってなくてもそうそうは壊れない。
古い人間だと思いますが、そういう形でしか、本が書けません。友達も作れません。
だから、新しい物語のキャラクターたちが全員揃うまで、どうかもうしばらくお待ち下さい。今年はきっと何か大きな物語をお届けできると思います。たくさんの友達を引き連れて。
ケンカと仲直りを何度も繰り返した、その果てに。
2006年のみなさまの幸せを祈っています。
向山貴彦

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