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仮面ライダーになりたい

9月 16th, 2001 — 3:46am

一ヶ月ぶりの更新です。すみません。
まだまだ途切れがちになると思います。
思った以上に今、作っている英語の本に凝ってしまいまして、大変なことになっています。

ぼくが子供の時、ちょうど70年代半ばから80年代前半までの時期、仮面ライダーとウルトラマンが両方とも最盛期で、男の子は必ずどちらかの大ファンだった。ぼくは仮面ライダー派で、今、当時の写真を見るとどれも変身のポーズで写っていて、見るからに頭の悪い子供である。高杉晋作の記念碑にのっかって、ショッカーの怪人(うちの母)に向かって「行くぞ!」と叫んでいる姿など、時代が時代なら軍法会議もののバカである。――まあ、確かにポーズの種類ででその時放送されていたライダーの種類が分かるので、写真を間違えてアルバムからはがしても、すぐにいつの写真か分かって便利ではある。手をすり合わせているからこれはストロンガーで小四ぐらいか、とか。
しかし、本当にどの写真にもことごとく仮面ライダーになりきって写っているのを見ると、どれほど当時本気でライダーに憧れていたのかがよく分かる。小学校四年ぐらいまでは大人になったら改造手術を受けてショッカーと戦おうと本気で考えていた。さすがに中学生になって、現代の医療では改造手術は無理だということは悟ったが、まだショッカーが改造してくれるかもしれないので希望は捨てていなかった。高校になるとさすがにショッカーもいないことに気がついて絶望したのだが、科学は進歩しているとテレビで言っていたので待っていればそのうち改造手術かショッカーかどっちかが出てくると思って待ち続けることにした。で、今のところ、そのまま現在に至っている。とりあえずどっちもまだ出てきていない。
こうして三十歳になった今、冷静に振り返ってみると自分の人生観、特に「正義感」の周辺における価値観はすべて仮面ライダーから来ているものだと思う。追いつめられたときやピンチの時、ぼくの中の1号ライダーが「こうするべきだろ」と今でも語ってくることがある。何か悪いことをしてしまいそうな時、耳元でV3が「それをやったらもう一生仮面ライダーにはなれないぞ」とつぶやいてくる。仮面ライダーになれない。これはぼくにとって重大な問題である。やはり仮面ライダーにはなりたい。もし技術が整って改造手術が受けられる時代が来ても、適性試験とかがあるかもしれないので、やはり正義の味方たるもの、過去に悪いことをしていたらはねられてしまう可能性がある。
いつかその日が来て、大々的に募集が始まって、七時のニュースで募集に集まった人の列が映されたら、きっとそのほとんどは中年ぶとりした四十台ぐらいのおやじの集まりだになると思う。そして、その行列の先頭で「三日前の朝から並んでます」と質問に答えながら、カメラに向かって変身のポースをやっているのがぼくである。それまでにはちゃんとバイクの免許をとっておかないといけないと常々思っている。

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