Archive for 12月 2000


静かな話

12月 27th, 2000 — 2:43am

それにしても静かである。

今、山口の実家に帰って最初の夜を楽しんでいるのだが、実家の部屋で過ごす真夜中は想像以上に静かだ。東京のスタジオの横には割と大きな幹線道路が走っているために、夜中でもゴーゴーいって建物が揺れる上、真夜中を過ぎてもいつも酔っぱらいやら正体不明の中年男性やらの怪人物が奇声をあげてうろついている。(つい最近夜中に実際に聞いた奇声の例:「あした~ぁはあした~ぁのかぜが~あぁ吹くよおぉっと。そんなことあるかい!(手拍子)ってなもんだいな~っと。」)しかも年末は忘年会のイッキのみのせいか、やたらと救急車のサイレンが鳴り響き、一週間に一回ぐらいのペースで消防車のサイレンにもたたき起こされる。
それに比べて今ここで聞こえているのは低く響く暖房の音と、これを打つキーボードの音だけである。ごくまれに遠くの方で車のクラクションが一回聞こえるだけ。たまに世界が滅びていないかどうか、テレビをつけて確認してみたくなるほどの静けさ。自分の寝返りの音がうるさく思えるほどだ。
なんで昔、あんなに心が落ち着いていたのかよく分かる気がする。

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新幹線座席割当委員会

12月 26th, 2000 — 2:41am

九州へ向かうのぞみ号の中より生中継中――

現在正午過ぎ、東京を出発して約10分が経過。キヨスクで購入したプラスチックパックのお茶を開けて、ティーバッグから緑茶を抽出中。(ティーバッグとお湯で130円。明らかに暴利である。)乗車率はほぼ100%ながら、なぜかぼくの隣の席だけが空席。これを運が良かったなどと考えて油断していると、新横浜あたりで体重220キロの大男で極めて強い体臭の持ち主が乗り込んできたりするので、気を緩めていない。
いつも思うのだが、いったい新幹線というのはどうやって席を割り振っているのだろうか? ぼくはこれまでの人生で少なくても数十回新幹線の指定席に乗っていると思うが、ただの一度も横が若い女性だったという経験がない。たいていは出発の時点ですでに出来上がっているおやじか、それよりもたちの悪い「女性セブン」片手のおばさんである。今回は席について三分後に、通路の向かいに座っている中年女性にいきなり「めざめよ」という名前の冊子を渡され、「よかったらあとで話を聞いて下さい」と笑顔で話しかけられた。
ぼくが思うに、きっとJRのカウンターでは切符を入力するときに、画面に表示される正規の情報以外にカウンターの下で足で入力している秘密の情報があるのではないかと思う。
「ちび、はげ、脂性、ちょっぴり息くさい」とか「きれい、独身、バッグはシャネル」などと入力されたデータを見ながら、チケット売場の後ろにある秘密の「新幹線座席割当委員会」の面々が「こいつとこいつを隣同士にしてみようぜ。」とかビール片手に笑いながら決めている様子が目に浮かぶ。
まだまだ本当に平等な社会が来る日は遠い。
ただいま新横浜、通過――

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今世紀最後のクリスマス

12月 25th, 2000 — 2:40am

多くの人はサンタクロースなどいないという。
残念ながらこれはうそである。
多くの人は子供の時に枕元にプレゼントを置いてくれたのが両親だと思っている。確かにそこに「置いた」のは両親かもしれない。でも、なぜ世界中で同じ日に同じことをしようとみんなが思ったのか――なぜクリスマスという、他人にプレゼントをあげる、何の得にもならない行事がここまで浸透したのか――そっちの方がよほど不思議だ。利己的で自分中心な人間がこの日だけ、こんなにおおらかに温かい気持ちになれるのはなぜなのか?どんな流行でも数年で廃れるというのに、なぜクリスマスとサンタクロースだけが2000年もの間、絶えることなく受け継がれてきたのか?なぜ未だに広がり続けているのか?
答えはひとつしかない。
サンタは本当にいるのだ。そして、クリスマスは本当に存在する。
もしも、今日耳元で「クリスマスぐらい何か特別なことをしよう」という声を誰かがささやいてきたら、それはサンタがそばにいる証拠だ。好きな人に何かいいものを送ってあげよう。高いブランド品や高価な貴金属でなくていい。その人が本当に喜ぶ言葉でいい:「君はいつもよくがんばってるね」「本当にお父さんはえらいと思う」「なんかあったらいつでも相談して」「お母さんにすごく感謝してる」「愛してる」「ずっと一緒にいよう」
今日は高速道路で後ろの見知らぬ車の分の通行量も払ってやろう。コイン駐車場を出るときにとなりの人のお金もこっそり払ってやろう。挨拶したことのない人に挨拶してあげよう。お母さんの代わりにご飯を作ってあげよう。自分らしくないことをして誰かを驚かせてやろう。そして、もう何年も電話していない友達のところに電話をかけてみよう。理由なんていらない。「なんで?」って聞かれたら「クリスマスだから。」「あるホームページにそう書いてあったから。」と答えればそれでいい。
メリークリスマス。
どうか今宵、あなたのいるところが温かいところでありますように……。

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祝!「童話」文庫化?!

12月 22nd, 2000 — 2:39am

「童話物語」の文庫化がほぼ決定しましたので報告です。
まだあくまで予定なのですが、来年の半ば頃に発売予定で、現在再編集中です。宮山が文庫用に地図などを新しく直している最中です。まあ、さすがに三回目なので、もう大幅に手直しするということはありませんが、ページが小さくなると読めなくなってしまうページが出てきてしまうので、その辺りの修正がメインになっています。
ただ、今回ひとつだけまったく新しく加わるものができました。
これについてはずいぶん迷ったのですが、ぼくの中でも宮山の中でも、今回の文庫が「童話」との十年来の付き合いにひとつの区切りになっているので、そう言った意味も込めて、資料集の大半を公開することにしました。目玉になるのは物語風に書かれたクローシャの歴史です。パーパスがなぜああいう町になったか、ディーベ疫病の起源、そして、クローシャ大陸の成り立ちなど、「童話物語」の下地になっている設定がすべて入っています。また、ペチカがなぜあれだけトリニティーでいじめられなければならなかったか、などの本当の理由を解く鍵も含まれています。
資料集は1巻に含まれる予定です。ほかにもキャラクター設定やクローシャ語の形成の方法なども入るのではないかと思います。ほんの一部を除いて(やはり謎のままであるべきだと判断した部分は残しました)、これでクローシャについての設定は全部公開したことになります。よかったら目を通してみて下さい!

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電話による電話の勧誘

12月 21st, 2000 — 2:37am

ここのところ、毎日のように新手の電話会社から勧誘の電話がある。どういうわけか、これらが非常におもしろい。
先月、うちにかかってきたものなどはいきなりこう切り出してきた。

「今、お電話にはご加入されていますか?」

今、おまえと話しているのはいったいなんだ!?
と、思ったが、あまりにもおもしろいので「いいえ」と答えてみた。そしたら電話の向こう側で一瞬沈黙があったあと、まるで何事もなかったかのように、冷静に「そうですか。」とお姉さんは言ってのけ、まるで今ぼくと話しているのが旧日本陸軍の使っていた無線通信機であるかのように、電話を導入することを勧め始めた。
五分ぐらい会話に付き合っていたのだが、あまりにもしつこいので、「けっきょくセールスポイントはなんですか?」と聞くと、お姉さんはさも自信ありげに「NTTの電話料金は高いとは思いませんか?!」と声高らかにぼくに聞いてきた。おそらく手元にはNTTと自社の比較料金表を用意していて、ぼくが「そうですね」とつぶやいたら、即自社の圧倒的な優位性を訴えんと待ちかまえているのだろう。
「いいえ。ぜんぜん。安いぐらいです。もっと高くしてほしいですね。」
ぼくがそう言うと、ものすごく不自然に長い沈黙が電話の向こう側を支配した。その沈黙が丸まる二十秒ぐらい続く。
ぼくはその沈黙の中で受話器を置き、静かに仕事に戻った。その後、その会社からだけは二度と勧誘の電話がかかってこない。

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再開はある朝突然に(Mobs ver.2)

12月 20th, 2000 — 2:36am

この文章を読んでいる人で、万が一まだ気がついていない人がいるといけないので、念のために発表します。

サイトを全面リニューアルしました。

もし、今、このタイミングで「そういえばそうだ!」と思っている方がいるとしたら、それは以下の危機的な事実のいずれかが本当であることを意味します。

  • なんらかの天文学的な数値の確率によって今日はじめてここを訪れた。

  • ぼくが思っているほど劇的な変化ではなかった。

  • この程度の些細な違いにいちいち気がつくほど細かく見る価値のないサイトである。

  • 検索エンジンで「山田太郎の汗くさいバット」を検索したところ、全世界100億ホームページのうち、このページしかヒットしなかった。

いずれにしても、MOBS&CO.へようこそ!
これからもどうぞよろしく!

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